ウルムスツール 耐荷重試験レポート!

こんにちは。
メトロクスの小野寺です。

弊社では、ウルムスツールの日本の輸入代理店ということもあり、
ウルムスツールをwebでご覧いただいたお客様から
「見た目が不安定そうで、大人が座っても大丈夫かしら?」
というお声を、たびたびいただくことがあります。

そんなウルムスツールの汚名返上?!

本日は、ウルムスツールの耐荷重試験の様子をレポートします。

今回行った耐荷重試験は、
“どのくらいの力をかけると壊れるか”というものです。
メトロクスでは、スツールの用途で使用される「座面」と
シェルフの用途で使用される「側面」の、2面の耐荷重を調べました。

まずは、座面部分。
スツールとして使用する場合は、
この面に荷重がかかることになります。

材料試験機の天板の上にウルムスツールを乗せ、
座面の中心に当て板を置きます。
この当て板の中央上方から徐々に荷重を加えていきます。

荷重を加えていくと、座面がだんだん湾曲してきました。

22.0kN=2240kgfの荷重がかかったところで、
座面と側板の接合の組手部分にひび割れが生じ、
座面の中心部分が縦方向に亀裂が入り折れました。

2240kgfの荷重とは、
2240kgの質量のものを上に乗せたのとほぼ同じ意味合いなのだそうです。

むむむ、2240kg…???

簡単に想像できないので、例えて考えてみました。

実際に行うのは不可能な例ですが、
(あくまで参考までに!!です。)
数値上では、
1000mlの牛乳パック(約1kg)が2240本分。
人間(約50kg)が44.8人分。
ゾウ(約5トン(5000kg))はだめですが、
こどものゾウ(約2トン(2000kg))は大丈夫なことになります。

すごいぞ、ウルムスツール

さて、次に、側面です。
シェルフとして使用する場合は、この面に荷重がかかることになります。

材料試験機の天板の上にウルムスツールを横にして置き、
側面の丸棒のつなぎ部分と座面のほぼ中心の位置に当て板を置きます。
この当て板の中央上方から徐々に荷重を加えていきます。

荷重を加えると、側面がだんだん湾曲し
丸棒のつなぎ部分にひび割れが生じてきました。

10.9kN=1110kgfの荷重がかかったところで、
組手部分にもひびが入り、完全に丸棒が側面を突き破りました。

側面は、座面より荷重に弱いことがわかりました。
ただ、弱いとは言えども、1110kgの重さに耐えることができ、
シェルフとして使用するには、十分な強さです。

座面も側面も、想像以上に、丈夫!
さすが、「バウハウスデザインの象徴ウルムスツールです。

みなさま、安心してご使用くださいね。

おまけ

この耐荷重試験は、商品が壊れた時点で試験終了となります。
なので、試験に使用した2台のウルムスツールは、
最終的に壊れてしまいました。

日の目を見られずに、破損してしまったウルムスツールのことを思うと
とても心が痛みましたが、
これはウルムスツールの丈夫さを実証するために役に立つのだと
自分にもウルムスツールにも言い聞かせ、試験に挑みました。

大事な役割を果たしてくれたウルムスツールよ、
おつかれさまでした。

この壊れたウルムスツールは完全には元どおりには戻りませんが、
傷を修復し、割れた部分を補強をし、第二の人生へ。
見た目は少し難がありますが、
小野寺家で重ねて本棚となる予定です。

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