佇まいに見惚れる歴史あるスツールがリニューアル

渡辺力/ソリッドスルーツ(Riki Watanabe/Solid Stool)1954年 METROCS

こんにちは、メトロクス・フクオカです。

この度、渡辺力デザイン(1954年)のソリッドスツールに新モデルが加わりました。
これまで販売していたチークモデルやホワイト脚タイプは終売となり、新たなラインナップは「オーク」と「ウォルナット」の2種になります。どちらもブラック脚のみです。

渡辺力/ソリッドスツール 新モデル・ウォルナット

赤みの強かったチークとは異なり、しっとりと落ち着いたダークブラウンのウォルナット材。
重厚感のある空間にマッチします。


オーク(ブラック脚)は今年の春に一旦在庫が終了して以来、しばらく入荷がなかったのですが、新たな工場で製造再開し、久しぶりの入荷です。

旧モデルと比較すると、少し軽くなった印象でした。片手でヒョイと持ち上げることが以前よりもちょっぴり楽になりました。持ち運びを前提としたデザインなので、こうした変化はうれしいですね。

ソリッドスツール

ソリッドスツール」は日本を代表する建築家 清家清による「数学者の家(1954年)」の家具デザインを担当した渡辺力さんが、玄関先に置く腰掛けとして考案したスツールです。

数学者の家(1954年/東京都目黒区)
数学者の家(1954年/東京都目黒区)

当時は既製品の選択肢はあまりなく、ほぼすべての家具が特注品として作られました。このスツールは後に、写真館(東京都港区)の待合室にも設置され、高島屋で開催されたモダンリビング展に出品されるなど、多方面で注目されました。

1954年のモダンリビングより
1954年のモダンリビングより

当時、このスツールは一般向けに商品化されることはありませんでしたが、メトロクスが渡辺力さんと共に2005年に復刻・商品化を実現し、今に至ります。
60年以上の前のデザインとは思えない、今見ても新しさを感じるのは、その研ぎ澄まされた端正なフォルムにあるのかもしれません。

復刻の際のエキシビジョン「渡辺力展」のようす
復刻の際のエキシビション「渡辺力展」のようす

エキシビションアーカイブはこちら

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傾斜のついた座面は座り心地を追求したもの。
中央にあいた穴は持ち運びを想定した、手をひっかける穴。
装飾としてのデザインではなく、機能を前提としたデザインが集約されたミニマルな構造美にデザイナーのイズムを感じます。

トリイスツール(1957年)
トリイスツール(1957年)

ソリッドスツールをデザインした3年後の1957年、渡辺力さんは日本人初のミラノ・トリエンナーレ金賞を受賞しています。
それが渡辺力さんの代表作になった「トリイスツール」です。
素材は違えど、ソリッドスツールとフォルムや佇まいが近いですね。

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ソリッドスツールは無垢材とスチールロッドの堅牢なつくりで、ちょっとした腰掛けだけでなく、ダイニングやベッドルーム、ドレッサー用などいろいろなシーンでお使いいただけます。

片手で持ち運べてコンパクトながらも座りやすい。そして、オブジェのような美しい佇まい。生活になじむとっておきのスツールになると思います。

ソリッドスツール 詳細はこちら

メトロクス東京で実際にお座りいただけます。
ご来店お待ちしております。


川崎市岡本太郎美術館で開催中の企画展「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」にて、弊社より「渡辺 力 ヒモイス(1952年)」、「渡辺 力 トリイスツール(1956年)」、「渡辺 力 デザイン図面各種、同氏にちなんだ愛好品」、「長 大作 小椅子(1960年)」を展示しております。 弊社所蔵品以外にも貴重なアーカイヴが多数集められた見応えある企画展です。ぜひ足をお運びください。

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