ジュニア ─構造的真実に導かれた最適なデザイン─
こんにちは、メトロクスのハマダです。
今回復刻した「ジュニア」はもうご覧いただけましたでしょうか?
本日はその中から3003 サイドボードについて、くわしくご紹介します。
※「ジュニア」については前回のブログをご覧ください。
ジュニア 3003 サイドボード 105,000円
デザイン:アンジェロ・マンジャロッティ (1966年)
サイズ:幅1300×奥行560×高さ825mm
このサイドボードには「見せる収納」と「隠す収納」、二つの要素が備わっています。
天板上に突き出た板は、ブックエンドのような役割を持ち、
書籍やオブジェなどをディスプレイするのに最適。
ナチュラルな木目は馴染みやすく、いろんなテイストのお部屋でお使いいただけます。
壁置きはもちろん、後ろ姿も抜かりないので、
スペースを区切るような使い方もできますね。
そして、この「ジュニア」シリーズのとっておきの魅力は、
組み立てを楽しめるところ。
単純でシンプルな構造ですから、パーツをはめ込んでいくだけ。
難しくはありません。
単純とはいえ、組み立てをやってみると、
一般的な家具とは一線を画した構造であることがわかります。
「ほほぅ…こうなってるんだ」と、その構造に舌を巻くことも。
一層、プロダクトに愛着が湧く瞬間ですね。
サイドや天板に突き出た板など、ちょっと見慣れない
変わったデザインになっているのは、すべて構造的特徴です。
写真にある四角い穴があいた部分も、
背骨のような役割の”貫(ぬき)”をはめ込むために必要な穴。
「ジュニア」には、装飾的な意図がどこにもないのです。
そういった構造に対して実直な部分が、ただただシンプルなだけではない、
個性になっていると思います。
では、その構造がよくわかる組み立て方法をご紹介しましょう。
まず、3つの側板に”貫”を2本通し、溝(側板)と溝(貫)をはめ込みます。
溝同士をはめ込むことで固定されるようになっています。
側面に突き出た”貫”の先端に横板をはめ込みます。
横板にも溝が切ってあり、ここも溝同士をはめ込むことで固定されます。
天板、底板をそれぞれ前後からはさみ込むようにセット。
両側から差し込むことにより、はめ込みの負荷バランスを均一に保ちます。
背面の溝(レール)に背板を差し込みます。
側板と天板・底板、背板をボルトで固定。
背板同様、扉を差し込んで完成です。
第1工程で、側板と”貫”の向きを変えるだけで
キャビネットの位置を左寄せにすることも可能です。
この構造のおもしろさは、建築・プロダクトファンのみならず、
たくさんの方に注目していただきたいところです!
メトロクス店頭には今回復刻した「ジュニア」シリーズ5種類、
すべて展示していますので、ぜひ実物をご覧になってみてください。
「ジュニア」をデザインしたアンジェロ・マンジャロッティは、
建築のみならずプロダクトや彫刻の分野でも活躍したデザイナーです。
デザイナー紹介ページでは、過去の作品などもご紹介していますので、ぜひ、ご覧ください。
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