調和の取れたシリンダラインシリーズ
こんにちは、メトロクス・ハマダです。
本日は、1967年から47年、現在もロングセラーを続けているシリンダラインをご紹介します。
デザイナーは、1930年から70年代にかけて活躍したデンマークの建築家 アルネ・ヤコブセン。
言わずと知れた巨匠です。
完璧主義でも知られる彼は建築だけでなく、デザイナーとしての顔も持っています。
「建築も内部空間も妥協しない」。
コペンハーゲンの「ラディソンSASロイヤルホテル」のプロジェクトでは、
家具や照明からナイフやフォーク、ドアの取っ手まですべてを彼がデザイン。
デンマーク第二の都市・オーフスの市庁舎の設計もまた然り。
建築~外装~内装~インテリアまで、
全体をひとつのアートとして構成=トータルデザインしてしまうのです。
今回ご紹介するシリンダラインも、その彼のストイックなまでの完璧主義が反映された
プロダクトと言えます。
製造は、デンマークのステンレス製のテーブルウェア専門メーカー、ステルトン社です。
実はステルトン社の社長は、ヤコブセンの義理の息子ペーター・ホルムブラッド。
彼が直接、ヤコブセンにデザインを依頼するのですが、多忙のために断わられます。
ホルムブラッドは諦めずにお願いし続け、ヤコブセンはやむなく、あるパーティーの席で
紙ナプキンにスケッチします。
ヤコブセンはかなり怒った様子だったようですが、
このスケッチこそがシリンダラインの原型となるわけです。
おもしろい秘話ですよね。
1967年発売当時には、この理想のフォルムを作り出すことが難しく、ステルトン社は
実に3年もの月日をかけて製品化に至ったのだとか。
(角張ったところも継ぎ目もないステンレス加工は画期的だったそうです!)
スカンジナビア(北欧)のデザインの歴史を解説する書籍や、
厳選された名作プロダクトが掲載された書籍(特にミッドセンチュリー期)には、
高い確率でシリンダラインについての記述があります。
ARNE JACOBSEN Architect & Designer より
DESIGN SCANDINAVIA より
Industrial Design A-Z より
scandinavian design より
scandinavian style より
the sixties より
メトロクスにあるだけでも、これだけの書籍に紹介されているということ、、、
シリンダラインが如何にデザイン史に残るプロダクトであるかということがわかりますね。
それゆえに、その評価は高く、MoMAをはじめとする多くの美術館のコレクションに
選定されています。
近年では、生誕100年記念としてティーポットセットが発売されたり、
2010年にはポール・スミスが、カラフルな取っ手のコーヒーポットやティーポットをコラボし、
限定販売するなど、デザインから半世紀近く経った今も注目度の高いプロダクトです。
もちろん、その品質や使いやすさなどの実用性は言うまでもありません。
少し値は張りますが、一生モノになることは間違いないです。
シリンダライン 取扱い一覧
AJコーヒーポット 45,360円 / AJティーポット 43,200円
AJジャグ アイスリップ付 27,000円 / AJプレスコーヒーメーカー 32,400円
AJシュガーボウル 9,180円 / AJクリーマー 6,480円
AJグラスコースター 6P 8,640円 / AJアイスバケット 43,200円
AJアイストング 5,400円 / AJサービングトレイ 21,600円
AJリボルビングアッシュトレイ S:11,880円、L:15,120円
余談ですが、ヤコブセンデザインの中で私の好きなプロダクトのひとつがAJランプ。
1959年にコペンハーゲンのロイヤルホテルのためにデザインしたテーブル照明です。
メトロクスで販売はしていませんが、スタッフがデスクランプとして使っています。
円と直線のラインの要素はシリンダラインにも通ずるものがあります。
アルネ・ヤコブセンのその他商品
AJウォールクロック、 AJテーブルクロック