フォルナゼッティのアルキテットゥーラ
こんにちは。
メトロクス・タカハシです。
今日は久し振りにフォルナゼッティについて話しましょう。
少し前まで日本では知る人ぞ知ると言っていいほどマニアック(褒め言葉)な
フォルナゼッティですが、ここ最近では雑誌メディアへの露出も増え徐々にその存在が
浸透しつつあるようです。
雑誌CASA BRUTUS 1月号
※表紙の椅子はメトロクスでは取り扱っていません。
雑誌ELLE DECOR 6月号 フォルナゼッティ特集ページ
フォルナゼッティの作品のモチーフは20世紀初め欧米各地の男性を
虜にした美人ソプラノ歌手『リナ・カヴァリエリ』ですが、彼女は1874年の
クリスマスにイタリアのヴィタルボという街に産まれました。
町全体が城壁で囲まれた要塞都市で中世時代には多くのローマ教皇が居住していたそうです。
その後、悲運にも15歳で両親を亡くし教会に孤児として引き取られます。
しかし、教会での質素な生活はリナにとっては退屈そのものです。
旅芸人たちに混ざってこっそりと教会を抜け出しパリをはじめとする
ヨーロッパ中でその美声を披露してまわったそうです。
リナの歌声と美貌は世界中を魅了しフォルナゼッティ以外にもミレー、
ジョヴァンニ・ ボルディーニ、といった画家たちも魅了し、
カルティエは「世界で最も愛らしいプリマ・ドンナ」リナ・カヴァリエリのために
ココシュニック・ティアラを贈っています。
そんなリナをモチーフに何百種類もの絵を描き続けたフォルナゼッティ・・・
愛するものを独占したいという狂気に近い感情だったのでしょうか?
描き続けたフォルナゼッティがすごいのか、描かせ続けたリナ・カヴァリエリが
すごいのか・・・ おそらく両方でしょうね。
さて、それではタイトルのアルキテットゥーラについて触れましょう。
アルキテットゥーラは現在メトロクスで実物をご覧いただける
テーマ&バリエーションシリーズの中で唯一「壺」以外のアイテムです。
「建築」と名付けられたこのテーブル(テーブルなんですよ)の天板には
フォルナゼッティが手掛けたインテリアや建築が描かれています。
ベースにはもちをんリナをモチーフにした顔が描かれています。
真横から見ると少しとぼけた顔をしており他のテーマ&バリエーションシリーズと比べ
幾分、愛嬌が感じられる顔つきに思えます。
天板の直径はΦ600mmと小ぶりでソファサイドやベッドサイドに丁度いいサイズ感です。
他のテーマ&バリエーションシリーズと比べるとこんな感じです。
意外とマキシ ウニタ ディターリア(写真右)とさほどサイズは変わらないですね。
構造はと言うと、天板とベースともに陶器で作られており裏面から金属の支柱で
固定されています。見かけよりも安定感は抜群ですのでご安心を・・・
このアルキテットゥーラですが1ヶ所、釉薬の剥がれがあり展示品セールとして
20%OFFとなっております。
¥210,600⇒¥168,480(税込)
そのキズの部分がこちら
製造の過程で、時々こういったものが出てくるのですが、天板とベースの境に2cmほど
の剥がれがあります。下から覗きこまなければわからない箇所ですが、通常定価での
販売は難しい為、20%OFFです。
店頭では現在、入口脇から外を見つめています。
このまなざしを見ているとシュルレアリスティックなフォルナゼッティの世界観を、
自宅のインテリアに取り入れてみたくなるような・・・
フォルナゼッティフリークには是非ともおすすめしたいサマーセールの目玉商品でした。