モダンデザインに通ずる「冷たい抽象」

こんにちは、メトロクス・タカダです。

本日はメトロクスに入荷した、アート作品についてご紹介いたします。

抽象画家、オノサト・トシノブによるシルクスクリーン作品です。オノサト・トシノブは戦後日本で活躍した抽象絵画のパイオニアの一人で、世界的にも大きな活躍をした人物です。

シルクスクリーン / Silk-100 143,000円

様々な幾何学的作品がみられますが、いずれも画面上の四角形に大きく広がる「円」が存在していることがわかります。これは、オノサトの(特に戦後以降の)作品に一貫したルールとして見ることができます。

シルクスクリーン / Silk-74 121,000円

オノサト・トシノブは、「円」についてこう語っています。

-あなたは、なぜ「円」を描くかと、時々質問を受けるのであるが、私自身では、これほどあたりまえなことはないではないかと思うのである。原始のころから、おそらく「円」は限りなく描かれてきたに違いないし、自然をかたちづくる形態のなかでも、最も基本的なもので、物体が形態であろうとするとき、これを選んだように、私もこれを選んだのだ。「(1963年「読売新聞」5月15日 夕刊)/新潮社 抽象への道 」より-

原始的で普遍的な「円」をオノサトはモチーフとしました。それは、方向もなく、傾きもない、いつも真正面の状態である完璧な形であり、画面には上も下もなくなって、左右も同じです。それは、ついに構図も主題もなくなって、どこまでも客観的に画面が存在しているだけとなります。

シルクスクリーン / Silk-82 121,000円

とても冷静で有機的な要素を極力排除した、いわゆる「冷たい抽象」と呼ばれるような幾何学的な抽象表現と言えます。こうした様式は、工業化や色彩・光学の発展を背景に、1910年代初頭にモンドリアンらによって創始された「デ・ステイル」という運動が大きな源流の一つとされます。

シルクスクリーン / Silk-30 99,000円

そして、デ・ステイルは、後に現代のモダンデザインの基礎となった「バウハウス」に多大な影響を与えたことが知られています。

メトロクスで取り扱いのある製品で、バウハウスに近いものと言えば、マックス・ビルの「ウルムスツール」「ユンハンス モデル367」「グラフィックラグ」「バリエーション ポスター」などがあげられるでしょうか。

シルクスクリーン / Silk-3 132,000円

やはり、こうした源流を辿ってみても、オノサトの作品は、現代のモダンデザインとの親和性がとても高いと言えます。

左:シルクスクリーン / Silk-98 88,000円 右:シルクスクリーン / Silk-91 88,000円  

時代と国を超えながらも同じ系譜を持つアートとインテリアを組み合わせて、歴史的にも奥行きのある空間づくりを試してみてはいかがでしょうか。

東京・新橋にある実店舗では、実際に作品をご覧いただくことができます。スペースの都合上、展示されていないものもございますが、ご覧になりたいものがございましたらスタッフまでお声かけください。

オンラインショップでも掲載中ですので、こちらからぜひご覧ください。

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