古き良き銀座の風景 ~BAR TARU~
こんにちは。メトロクスのハマダです。
今日は銀座のお話。
「銀座」と言えば、もう、それは単なる繁華街ではなく、ある種のブランドとも言える場所。
外資系の高級ブランドやトレンドを象徴するショップが軒並み出店するステータスの街です。
そんな最新モードの溢れる銀座ですが、一本道を入れば(特に銀座6丁目界隈)、
古びたレトロなビルなどが立ち並ぶところもあり、さすが、歴史のある街だと感じます。
けれども、昨今は「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」という
再開発プロジェクトのため、古き良き銀座を象徴する歴史あるお店が少しずつ
姿を消していっています。
渡辺力さん、剣持勇さんの両氏がインテリアデザインを手掛けたことでも知られる
1953年開業のバー「TARU(樽)」もそのひとつです。
平成25年3月末日をもって60年の幕を閉じました。
メトロクスではスタッフみんなで閉店1週間ほど前に
TARUへお酒をいただきに行きました。
こちらが外観です。1924年築のビル、ものすごいレトロです。
階段を下りたところには、閉店を知らせるポスターが。
「ありがとう。さようなら。そして、ラブ。」
この一言にすべてが集約されているような気がします。
席に通されると、オーナーさんからのメッセージが記された紙を手渡されました。
そうか、さっきのポスターのコピーもオーナーさんの言葉なんだな、と
これを読んで気が付きました。
TARUのコースター。
私たちはお店の方にお願いして、記念に持ち帰らせてもらいました。
店内はお客さんでいっぱいだったので、あまり撮影できませんでした。
どれもこれも歴史を感じるものばかり、地下にあるという立地条件も相まって、
まさに「隠れ家」といった雰囲気です。
「この電気シェードも力さんのものかしら?」なんて話をしながら、
美味しいお酒をいただきます。
こういう雰囲気の大人のバーには、あまり行ったことがなかったので、
ちょっぴり背伸びした気分でした。
奇しくも、渡辺力さんがお亡くなりになった今年に「TARU」も閉店するということで、
切ない気分はなおさら。最後に訪れることができ、本当に良かったと思います。
こういった歴史ある場所が少なくなっていくことは、とても残念です。
優れたプロダクトはいつまでも色褪せることなく、愛され続けていくと思います。
その素晴らしさを大切に守りながら、多くの方々へ伝えていくお手伝いをしていくこと。
ここを訪れたことで、私たちの使命をまた強く感じた夜でした。
渡辺力さん特集ページも好評です。
ぜひご覧ください。
http://metrocs.jp/special/rikiwatanabe/