日本の抽象絵画のパイオニア「オノサト・トシノブ」

Silk-100 1983年

こんにちは、メトロクス・タカダです。

この度、メトロクス東京店では、世代を超えて受け継がれるアートをご提案する「メトロクス アートフェア」を開催しております。

フェアの期間中、日本の抽象絵画のパイオニア「オノサト・トシノブ」のシルクスクリーン作品を展示・販売しております。

本日のブログでは、オノサト・トシノブの略歴と、展示している一部の作品をご紹介いたします。

オノサト・トシノブ

オノサト・トシノブは、1912年、長野県生まれ。戦前から前衛美術の先駆者として活躍し、世界的でも注目を集めた日本を代表する抽象画家です。

1931年、19歳の時に日本大学工学部電気科へ入学しますが、すぐに中退。中退後、津田青楓洋画塾へ通い始めます。1935年、同塾出身の若手作家と「黒色洋画展」を結成し毎月1回のペースで精力的に展示を行いますが、翌年には第14回展を最後に解散。

1937年、25歳の時に「自由美術家協会」が結成され会友として参加。1940年に制作した作品《黒白の丸》(東京国立近代美術館所蔵)は当時珍しかった構成主義的な作品として注目されます。

第二次世界大戦での従軍を経て、1953年、41歳の時に瀧口修造の推薦でタケミヤ画廊(東京・神田)にて初個展を開催しました。

そして、1954年頃から本格的に円形を主題とした作品の制作を始め、主に朱、黄、緑、紺の4色を基調としたモザイクパターンから円形が浮かびあがる幾何学的抽象表現のスタイルを確立します。

二つの円 1959年 /出典:ONOSATO,pioneer of abstract painting(群馬県立美術館 /印象社)

1960年以降は、大きな円を正方形で分割し埋め尽くすスタイルに移行します。

一ツの円 1961年 /出典:ONOSATO,pioneer of abstract painting(群馬県立美術館 /印象社)

これらの作品が海外でも高く評価され、1961年、49歳の時にグレス画廊(アメリカ・ワシントンDC)で海外初の個展を開催。そして、1963年、51歳の時に第7回日本国際美術展でグランプリを受賞、一躍現代美術の最前線に躍り出ることとなります。

さらに、1964年にグッゲンハイム国際賞展に出品した作品が同美術館に収蔵。1964年と1966年に開催されたヴェネツィア・ビエンナーレでは、日本代表として2度連続して出品するなど、世界的な舞台で大きな注目を集めました。

その後も、群馬県桐生市を活動の本拠地とし、アトリエからほとんど出ないほどに制作を続け、数多くの油彩・水彩の他、約200点の版画作品を残しました。

今回のフェアでは、シルクスクリーン作品を十数点ほど取り揃えております。

Silk-3 1967年

様々な幾何学的作品がみられますが、よく見ると、いずれも画面上の四角形に大きく広がる「円」が存在しています。これは、オノサト・トシノブ作品の一貫したルールとして見ることができます。

Silk-60 1974年
Silk-74 1975年
Silk-98 1978年/Silk-91 1977年
Silk-104 1979年

近づいてみたり、離れてみたり様々な見方でそれぞれの作品の見え方が変わってくるところも興味深いところです。

ぜひ、お店に足をお運びいただき実際に作品をご覧になっていただけますと嬉しく思います。

METROCS ART FAIR「Onosato Toshinobu」
メトロクス アートフェア「オノサト・トシノブ」

場所:メトロクス 東京店

日程:2021年11月4日(木)~11月20日(土)

 

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