パーシモンチェアの過去と今
こんにちは、メトロクス・タカハシです。
前回のブログにもあげましたが、メトロクスでは
マッシュルームベーステーブルとパーシモンチェアを打ち出しています。
前回は、マッシュルームベーステーブルの話でしたが、今回はパーシモンチェアの話。
現在、東京店ではパーシモンチェアの原型となった
当時のオリジナルモデル(非売品)を2脚展示しています。
一番右が現行品のパーシモンチェア、
真ん中が1960年のミラノトリエンナーレに出品したモデル、
一番左は詳しい年代は不明ですがそれより前に作られたモデルです。
パッと見ただけでは色の違い以外わからないと思いますので、それぞれ説明させて頂きます。
一番の違いは脚の構造にあります。
奥のモデルは脚部が合板でできていますが、
手前のミラノトリエンナーレ時のモデルはラケット構造が採用されています。
テニスラケットの構造を家具に応用できないか、という着想から製作したモデルで
成形合板による家具工法としては先駆的な製品だったようです。
そしてこれが、現在のパーシモンチェアです。もちろんラケット構造は健在です。
実はこのパーシモンチェアはジャン・プルーヴェのスタンダードチェアが原型なのです。
プルーヴェ氏と親交があった坂倉準三氏がスタンダードチェアの構造を木製で
試みてみようという提案から1947年頃、坂倉準三氏のデザインからスタートしたようです。
その後、長大作氏の手に委ねられ半世紀、
常に先駆的構造やフォルムを取り入れて進化し続けてきました。
そして現在、1955年に坂倉準三氏、前川國男氏、吉村順三氏により設計され
当時、長氏がロビーとダイニングルームの家具を担当した国際文化会館の
2006年のリニューアルに伴いパーシモンチェアと
マッシュルームベーステーブルはティーラウンジに復刻導入されています。
東京店では長氏の書籍やスタンダードチェアからパーシモンチェアまでの
デザインの系図などの資料もございますので、是非お立ち寄りください。